2025.05.23

伊織と紡ぐ 

【コラボレーション事例】伊織×インテリアブランドで取り組んだ「10年愛されるものづくり」



1. 伊織のコラボレーションについて

伊織ではこれまで、さまざまなブランドとのコラボレーションを行ってきました。

その背景にあるのは、お互いの“ものづくりに対する共感”です。近しい価値観を共有するブランドやクリエイターとともに、今治タオルの魅力を引き出しながら、バリエーション豊かな商品を生み出しています。

*コラボレーション商品一覧はこちら

今回は、店舗内装などのインテリアデザインを中心に衣食住にまつわるさまざまなモノ・コトを手掛ける「Landscape Products(ランドスケーププロダクツ)」さんとのコラボレーションタオルの事例をご紹介します。

2. 難しいからこそこだわり続けた。麻糸の使い心地が伝わるプロダクト

伊織とLandscape Productsとのつながりは、店舗のインテリアデザインを依頼したことがきっかけでした。流行や見た目だけにとらわれず、上質で本物のものづくりに取り組み、丁寧な情報発信を続けている姿勢に、ブランドとして強く共感していました。

また、ファウンダーの中原慎一郎氏のライフスタイルや審美眼に裏打ちされたものづくりへの姿勢にも、私たちは大きな魅力を感じてきました。今回のコラボレーションも、中原氏が約10年前に旅先の海外で出会った、麻100%のワッフル織りタオルを今も愛用しているというエピソードから始まったのです。

この話をきっかけに、麻糸を使ったタオルの心地よさをもっと多くの人に届けるべく、いよいよ商品開発へ……。

しかし、そこからの道のりは長いものとなりました。

伸度(伸び幅)が低い麻は、高速のタオル織機で織ることがとても難しい生地。麻の高い混率の商品のため、一度は頓挫しながらも、職人たちの試行錯誤は続きました。

困難を極めた製造過程でありながらも、両者が諦めずに取り組んだのは「麻糸のタオルの魅力に気づいてほしい」という想いと、商品の品質へのこだわりがあったからこそ。

そうして、なんと1年以上の歳月をかけて完成した「plain plaid」が2017年に発売されました。

薄手でも吸水性が高く、通気性もあって乾きやすい。軽やかでさっぱりとした使い心地は、上質な日常使いのタオルとして手放せなくなるファブリックです。

そして、使うほどにやわらかさとしなやかさが増すため、時間をかけて“育てたくなる” 伊織のロングセラー商品となりました。

※現在もハンドタオルをオンラインショップで販売、伊織本店では巾着袋やバンダナも取り扱っています。

3. お客様から10年近く愛され続けるものづくり

製造の難しさを乗り越えて誕生したこの商品には、10年近く大切に愛用してくださっているお客様もいらっしゃいます。

2025年のとある日、伊織のオンラインショップへお客様からお問い合わせがありました。

「長年愛用しているお気に入りのタオルです。これからも変わらず使い続けたいので、ほつれを直してもらえませんか」

商品の発売当初に店舗で4枚お買い求めされ、キッチンの手拭きタオルとしてずっとご使用いただいていたお客様からのご連絡でした。リネンとコットンとの配合をとても気に入っていただいていました。

実際にお客様からお預かりした商品

伊織として公式のサービスで修繕は行っておりませんが、大切にされてきたお客様からの声に応える形で対応することに。お預かりした商品を大切に補修し、後日お返しさせていただきました。

4. タオルの可能性にあらためて気づくコラボレーションに

タオルは、一般的には1年程度で買い替えするものと言われています。

ですが、現在は商品の品質の高まりや製造の創意工夫によって、生地の種類にも左右されますが、5年・10年と使い続けられるものに進化していると伊織では考えています。

ブランドへの共感とワクワク感からはじまったLandscape Productsさんとのコラボレーション。「plain plaid」とお客様のエピソードを通して、タオルの可能性にあらためて気づくきっかけとなりました。

これからもお客様に長く愛用いただける商品を届けられるよう、ブランドづくりに取り組んでいきます。

※現在はリニューアル商品も展開しています。開発エピソードはこちらをご覧ください。


Landscape Products(ランドスケーププロダクツ)について

1997年に中原慎一郎を中心に結成。1940~60年代のモダンデザインをルーツに家具の製造販売をスタートし、2000年には渋谷区神宮前にて「Playmountain」 をオープン(現在は渋谷区千駄ヶ谷にて運営)。同年法人化するとともに、その後は住宅・オフィス・店舗の内装デザイン、直営店展開、生産卸、エキシビションやイベントのプロデュース/ディレクション、編集/出版、ブランディングと活動範囲を広げている。